削らない理由

ほとんどの歯科医院では歯を「削る」ことが仕事ですが、はた歯科医院では極力歯を「削りません」。その理由をご説明します。

まず、最初に「虫歯は治らない」という前提が大事です。

治療をするときには歯を削らなければなりません。

どうやって削っているのか?そこから考えてみましょう。

削る道具

下が一般的な「タービン」毎分30万回転です。

上が「5倍速コントラ」設定によりますが10分の1ほどの回転数です。


バー

タービンや5倍速につけて歯を削ります。歯はとても硬いので、バーの先端にはダイヤモンドの粉がついています。


回転切削の欠点

高速で回転させて歯を削りますので、「摩擦熱」が発生します。このため水をかけて冷却しながら削るのです。それでも、口の中で金属を削るときなど、「火花」が出ます!


削ることの最大のリスクは「やけど」です!

歯の中には「神経」という「生きた」組織が入っています。「やけど」を起こすことで、神経が死んでしまうことがあります。

どんな名人が、完璧に治療しても、このリスクをゼロにすることはできません!

「治療前は痛くなかったのに、治療したら痛くなった」こんな経験を持つ患者さんは本当にたくさんいらっしゃいます!

それは担当医がヤブ医者だからではなく、誰にでも一定の確率で起こることなのです。

ユニット

はた歯科医院では「KAVO社」製のユニットを使用しています。国産メーカーの倍以上の値段です!なぜ高額なユニットを使用するのか?「注水量」が圧倒的に多いからです!

「やけど」を起こすリスクはゼロにはできませんが、注水量を極力増やすことで、十分に冷却して治療することができます。


削るとかえって悪化するかもしれないことはわかりました。

でも、治療しないと痛くなってしまうのではないですか?

治療しなくても痛くならない方法が一つだけあります!

それは

経過観察を続けることです!

一般的に「早期発見、早期治療」が良いとされていますが、このコンセプトは昭和40年代からある「古い」コンセプトです。当時は虫歯ができる理由も科学的にはわかっていませんでした。そこで「食べたら磨く」「早期発見早期治療」というような間違ったコンセプトが採用されたのです。

では、なぜ「早期治療」が間違いなのか?「虫歯は治らないから」です!

日本での歯科治療はそのほとんどが「再治療」です。再治療のたびに歯を削られ、ついには「抜歯」になってしまうのです。

「歯を良くしたくて」治療を受けているのに、結果的に治療が原因で「歯は悪くなっていく」のです。

ではどうすればいいのでしょうか?

「経過観察」を続けることが唯一の方法です!